不動産担保ローンは、法人向けのビジネスローンや無担保のカードローンと比べて、低い金利で融資が受けられるというメリットがあります。そのため、他のローンからの借り換えや複数のローンのおまとめに利用される機会も多いです。そこで、不動産担保ローンへの借り換えのメリットと、十分にメリットを享受するための注意点を紹介します。

不動産担保ローンに借り換える最大のメリットは、ローンの返済総額を減額できることです。たとえばカードローンで現在借入中の場合、不動産担保ローンで融資を受けて、その分でカードローンを完済すれば、カードローンと不動産担保ローンの金利差の分だけ返済総額が少なくなります。金利差が大きいほど、この差額は大きいです。

また、現在複数の借入がある場合、それを不動産担保ローンに一本化することで、返済の管理が楽になることもメリットです。月に何日もローンの返済日があるより、不動産担保ローンの返済の1日だけの方が、余計な手間や時間を省くことができますし、常に返済に迫られているという精神的な負担もなくなります。

不動産担保ローンの借り換えには上記のようなメリットがありますが、このメリットを十分に生かすには、既存の借入先の金利と希望する不動産担保ローンの金利にどのぐらいの差があるかをしっかり考えなければなりません。もちろん借り換えする不動産担保ローンの金利の方が低いことが前提ですが、わずかな金利差では借り換えによるメリットが生まれないこともあります。

というのも、不動産担保ローンにはさまざまな手数料が発生するからです。不動産鑑定費用、抵当権の登記費用、司法書士等への報酬、印紙代、火災保険費用、さらには金融機関によって異なる事務手数料というものも発生します。融資額によっては手数料だけで数十万円は必要になるでしょう。そのため、借り換えの際は、金利だけでなく手数料も合わせた総額を考えなければなりません。

ここで一つ例を挙げましょう。現在、金利15%で200万円を借入中で不動産担保ローンへの借り換えを検討しているとします。そんな時、金利10%の不動産担保ローンを見つけたとしましょう。金利差が5%あるので、借り換えた方が一見お得になるようですが、手数料を合わせて考えるとそうでもないことがわかるでしょう。

返済期間が1年の場合、借入中のローンでは、200万円に15%の金利がかかるため、年間で30万円もの利息が発生します。10%の不動産担保ローンの場合、年間の利息が20万円になるため、一見、返済金額が10万円減るように感じられるでしょう。しかし、手数料の合計が10万円以上になるなら、借り換えによって逆に返済総額が増えてしまうのです。

このように、金利にメリットが感じられても、手数料など込みの返済総額で考えると、借り換えするメリットがまったくないということもあるのです。ですので、不動産担保ローンへの借り換えを検討する際は、借入の残高と残りの返済期間を考慮し、手数料を含めてもそれでも返済総額が少なくなることをシミュレーションしなければなりません。

不動産担保ローンを選ぶ際、金利の低いところを選ぶのは当然として、手数料がどのぐらいかかるかも確認しなければなりませんが、不動産の鑑定費用や抵当権の登記費用など基本的な部分に関する費用は金融機関によって大きな差はありません。ただし、事務手数料は金融機関によってかなり違います。

事務手数料をいくらに設定するかは金融機関の自由です。一般的には融資額の2.0%などパーセンテージで設定しているため、融資額が大きくなるほど多額の事務手数料が発生します。なかには事務手数料を0%としているところもありますが、その場合、通常より金利が高く設定されていることがほとんどです。

つまり、金利や手数料だけ見てお得に感じられても、必ずしもそうとは限らないということです。不動産担保ローンへの借り換えは、金利、手数料、融資額、返済期間を総合的に考慮して慎重に検討する必要があります。